「去りゆく命 その先に」は、葬式にまつわるあれこれで気になったことを調べてみるコーナーです。

南洲神社 宮司 鶴田伊都雄さんにお話しを聞きました!

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最近は、お墓を引き上げる方が多いですね。こちらに両親のお墓があっても、なかなか遠方にいてはお墓参りに来られないようで、「自分の住むところにお墓を移したい」とご相談に来られます。そのような場合は、私のほうで、お墓引き上げのお祓いをしています。

昔は、市営墓地も希望倍率が高く借りるのも難しかったようですが、今は、空き墓地が目立つようになってきています。理由としては、先にお話したようにお墓を移転する人が多くなったことや、お寺などの納骨堂を利用する人が増えてきたためでしょう。とくに鹿児島は、雨だけでなく灰も降るため、納骨堂を利用する人が多いのではないでしょうか。そういうことなどが、墓地の過疎化につながっているのかもしれませんね。

少子高齢化に伴う影響は、お墓だけではなく、先祖供養自体にも出てきています。例えば、跡継ぎが娘さんだけの家では、娘さんが嫁ぐとき、神棚を持参するわけにはいかないことが多いようで、「神棚を処分したい」とご相談される方がいらっしゃいます。そのような場合は、御霊に、幽世(かくりよ)に帰っていただくというお祓いをしますが、「またいつか、神棚を持つことができる時期がきたとき、現世(うつしよ)に戻ってきていただくということもできますよ」と、お伝えはしています。

最近は、お墓掃除などを代行する会社もあるようですね。高齢になると、足腰が立たず、なかなかお墓に出向くのも大変ですので、良いサービスなのではないでしょうか。

話しは少しズレるかもしれませんが、以前、「神棚の前で結婚式を挙げたいのですが…」とご相談を受けたことがありました。そのときは、「ぜひ、そのようにしてお挙げになったら、ご先祖様もお喜びになるのではないでしょうか」とお伝えしました。このとき私は、ご先祖様を大切にする気持ちをお持ちの方たちなので、その子どもたちの代になっても、ずっとご先祖様を大切にされていくのだろうな、と感じました。

ご先祖様がいたからこそ自分たちがここにいる”ということを認識できる場所として、お墓や神棚などの存在は大切なものだと私は思っています。それらを守っていくために、ぜひ前もって、「お墓について考える」という機会をご家族で持っていただきたいと思っております。

掲載日:2014年12月22日

南洲神社
住所 〒892-0851
鹿児島県鹿児島市上竜尾町2−1
電話番号 099-247-6076
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