「去りゆく命 その先に」は、葬式にまつわるあれこれで気になったことを調べてみるコーナーです。

鹿鳴山 轉法輪寺 住職 松元優樹さんにお話を聞きました!

鹿鳴山 轉法輪寺 住職 松元優樹

本来、お骨を骨壺に入れてお墓に納めるという仏教的概念はありません。しかし、鹿児島では昔からそういう風習があったため、それが根付いてきたのでしょうね。だから、現在もお墓を持つ人が多いのではないでしょうか。最近は、空き墓地や草が生え放題の荒れたお墓が目立ちます。区画の使用料を払えない人や跡継ぎがいない人などが増えてきているからでしょう。

ここ数年は、納骨堂を利用する人も増えてきました。お墓の草取りや花の入れかえが大変だったり、遠方に住んでいると、お墓までの移動に時間がかかったりするなどの理由が挙げられるようです。また、天候に左右されずお墓参りができ、ご先祖様も暑さ寒さがしのげるといった意味で納骨堂は魅力的なのかもしれませんね。

これからは、お墓の利用形態も変化してくるのではないかと感じます。今まで、お墓は家族単位で利用するのがごく当たり前でした。しかし、離婚した方や独身者、夫のお墓に入りたくない人など、いろいろな立場の人が、個人で利用できるお墓や納骨堂を求める傾向になってきています。もともと昔のお墓は個人個人で入るものだったので、その当時のお墓に戻りつつあるのかもしれませんね。

お墓について、個人が抱える悩みもさまざまです。お墓の一区画や墓石が高くて購入できない、後継者がいないので永代供養を頼みたい、県外に住んでいるが亡くなったときは故郷の鹿児島にお墓を造りたいなど。

そのような、お墓に対する悩みの声を聞いて、今、私にできることは何だろうかと考えました。

例えば、“時代のニーズに合った新しいお墓のカタチ”を提案することもその一つでしょう。今から加速する少子高齢化に伴い、無縁死する数もどんどん増えていくと考えられます。その流れのなかで、永代供養付き墓地や納骨堂などの需要は増えていくのではないでしょうか。

変わりゆく時代背景のなかで、一人ひとりが抱えるお墓に対する不安を取り除いていきたい。私たち住職が、常に知恵を振り絞り、みなさんが死後のことまで悩まず済むような働きかけをしていけたらと思っております。

掲載日:2014年12月22日

鹿鳴山 轉法輪寺 住職 松元優樹
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